Portfolio NOTE
丘の上の扉へ向かう自転車に乗ったトラのイラスト

ポートフォリオをつくってみて

ポートフォリオを作り終えてからというもの、いまだに終わったという気がしません。コード一行も書けないところから始めたことを考えれば、形になっただけで十分なはずですが、どこか道半ばの感覚が消えないままでいます。

はじめは、普通のポートフォリオを作るつもりでした。これまでの仕事を並べて、それが次の仕事につながればいいやくらいの気持ちで手をつけたのですが、何でもうまくいかないのが世の常。

広告デザインから始まり、商品開発やSNS、通販の立ち上げなど、いろいろな仕事をさせていただきました。ここ数年は、自分で手を動かすよりも、人にお願いしたり、話を聞いたり、進み方を見たりする時間のほうが長くなっています。そうして並べてみると、自分が何をしている人なのか分かりにくく、デザインだけでは、やってきたことがずいぶん小さく見えてしまいました。

40を過ぎて作るポートフォリオは、自分の仕事を一度棚卸しする作業にもなりました。

サボりたい気持ち全開でAI丸投げして、うまくやってしまおうと目論んで挑んだが、事実として間違ってもいないのに、どこか妙に立派すぎる。

「ここは違う」「これは残して」「そんなに格好よくしなくていい」と、そんなことばかり。書いてもらうというより、言い返していた時間のほうが長かったのではないでしょうか。けど不思議なもので、言い返した分だけ、自分の輪郭のようなものが少しずつ残っていきました。

これ、普段の仕事とほとんど同じやり方なんです。最初から正解が見えていることなどまずなくて、とりあえず形にして、案件のステークホルダーへのヒアリングに駆けずり回る。今回は、その相手が彼(AI)でした。

机の上に自分の仕事を全部広げて、何度も繰り返して、置き場所を決め直す反復作業をして、最後まで残ったのが、肩書きでした。すでに10年以上、デザイナー一筋で食べてきたわけでもないので、名乗るのもおこがましいとさえ思っていました。これを期に立ち位置を示すことも大切だと思い、AIとのラリーの末、絞り込まれた肩書きがコミュニケーションデザイナーでした。

広告などモノとしてのデザインから、コンテンツや事業を形にし、仕事をデザインすることへシフトしてきたということを考えると、この肩書きにフィットした感はあります。

これまでお世話になった方にも、新しくお会いした方にも、「とりあえず、ここを見てください」と言える場所はできました。

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